「悩んでいる若者の相談に乗るのが好きだった」。府警の調べに男はこう供述したという。長年教壇に立ち、校長まで務めた経験が少女とのやりとりに生きたのかもしれない。だが、実際にとった行動は、教育者としてあるまじきものだった。
続発する「自画撮り被害」
SNSで知り合った相手に求められるがまま、裸の写真などを送り、悪用されてしまう「自画撮り被害」は後を絶たない。
警察庁のまとめによると、昨年1年間にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1819人。前年より263人減少したものの、平成25年(1293人)と比べると約1・5倍に増加している。このうち、自画撮り被害を含む児童ポルノの被害児童数は例年、全体の約3割を占める。
被害に遭った際に使用していたSNSは、ツイッターが全体の35・3%と最も多く、府警幹部は「児童が投稿した書き込みや動画に対し、容疑者がダイレクトメッセージを送るなどして知り合うケースが多い」と明かす。送った画像はインターネット上で拡散されたり、販売されたりする危険性をはらんでいるばかりか、画像を脅迫の材料にされ、誘拐事件につながるケースもある。
府警幹部は「ネット上で拡散されてしまったら全て回収するのは困難。裸でなくても顔だけの写真でも編集されて転売されるケースがある。ネットだけの人間関係を安易に信じ過ぎないでほしい」と呼び掛けている。(木下未希)