日本の精鋭2頭、重い扉を開け 凱旋門賞

迎え撃つ欧州勢、ライバルは…

日本馬の挑戦を受ける欧州勢で注目はアイルランドのスノーフォール(牝3歳)だ。ディープインパクトを父に持つ日本産馬。世界的に有名なアイルランドのA・オブライエン厩舎に所属し、2歳時はパッとしなかったが、3歳になって頭角を現した。6月4日の英国のオークス(芝2410メートル)で2着に16馬身もの大差をつけて圧勝。GⅠ3連勝で一躍、凱旋門賞の有力候補に名乗りを上げた。

前哨戦のヴェルメイユ賞(9月12日、2400メートル芝)で伸び切れずに2着に敗れ、やや評価を下げたものの、直線一気の加速力は侮れない。デットーリ騎手は「ペースが馬に合わなかっただけ」と敗因を分析。牝馬のため、斤量で1・5キロ恵まれることも大きい。

1番人気になりそうなのは、日本でもなじみのあるスミヨン騎手が乗るアイルランドのタルナワ(牝5歳)。距離に不安はなく、道悪馬場にも対応できる脚質。スミヨン騎手は昨年フランスのGⅠレースで同馬に2度騎乗し、いずれも勝利しており、相性は抜群だ。英国のダービーを残り400メートルで抜け出して勝ったアダイヤー(牡3歳)もタルナワに次ぐ高い評価を得ている。

延べ27頭挑戦 2着が最高

1969年に初参戦したスピードシンボリ以降、日本馬はこれまで延べ27頭が凱旋門賞に挑んだが、高い壁に阻まれ、頂点には届いていない。

最高着順は99年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、12、13年オルフェーヴルの「2着」。ディープボンドの祖父で、国内では無敗のクラシック三冠も達成したディープインパクトも06年に出走し、3着(後に禁止薬物により失格)に終わっている。

難しさの一つに、パリロンシャン競馬場のコース形状が挙げられる。スタート直後の400メートルは平坦だが、その後は最大斜度2・4%の上り坂が続き、1000メートルから1600メートル付近は下り坂に。その高低差は約10メートルあり、国内で最も勾配のある中山競馬場(5・3メートル)の約2倍に相当する。その後、フォルスストレート(偽りの直線)と呼ばれる直線を250メートルほど走り、いわゆる最後の直線は533メートル。ゴールまで脚を温存するための対策が攻略のカギとなる。

芝は弾力性があり、日本に比べると重く、スタミナとパワーが必要。ラストの切れ味勝負の日本馬には厳しい条件といえる。

武豊騎手
武豊騎手

武豊も9度目の挑戦

武豊騎手は9度目となる高い壁に挑む。1994年にホワイトマズルで初参戦して6着に入って以降、最高着順は2001年サガシティの3着。「毎年の大きな目標」としてきた。「凱旋門賞には乗りたいですからね。それだけのレースですから」と語った。

手綱を取るのはブルーム(アイルランド、牡5歳)。前哨戦のフォワ賞でディープボンドには及ばなかったものの2着に入った。武豊騎手の腕の見せどころだ。

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