ウエカツ流サカナ道一直線

今年のサンマは刺し身がうまい! 超簡単さばき方動画を配信中

さて、日ごとに秋の深まるまさにいま、目の前にサンマの箱が置かれている。ここ数年、不漁続きで漁師たちを悩ませるサンマ。台湾や中国などが獲(と)り始めたのに加え、海水温の変化で漁場が遠くなってしまったのが主な原因であるが、しかし、今年もちゃんと獲れている。蓋をあけると、銀色の袋が見えるだろう。これこそがサンマが全国流通するようになったカギを握るアルミ蒸着シート。そう、別名〝サバイバルシート〟。中を探ると、サンマはキンキンに冷たい。何匹入っているのだろう。

1箱に入っている重量は2キロというのがお約束だから、入っている数が多ければサンマは小さいし、少なければ大きいというわけ。今日のは「15入り」なので1尾が約130グラム。いささか小さく30センチちょい、ってとこだ。小さく痩せてるとお嘆きの諸兄。否、この小さめのサンマこそ、今年のこの時期の味覚なのだ。それを味わうのがサンマを食うということなのだ。このチャンスを逃してはいけない。脂が薄いゆえに、刺し身、酢締めに向く。

 「今年のサンマは刺し身がおいしい」
「今年のサンマは刺し身がおいしい」

塩焼きは〝二段塩〟を施すのがよい。まんべんなく薄塩を当てたら1時間ほど置く。そして焼く前に、塩粒をはじくように全体にまぶし、表1割、裏7割、表2割の時間で焼き上げる。こうすると、肉中の水溶性タンパクが結合し保水力が高まり、しっとり旨味(うまみ)が湧き出る奥深い塩焼きに仕上がるのだ。焼いたのをほぐして同量の大根おろしとキュウリで和(あ)えて柑橘(かんきつ)を絞ると「焼きなます」に。これに醬油(しょうゆ)をたらし、ほおばり冷酒をすすり飯を食う悦楽は、魚の旨さは脂(あぶら)だと思い込んできた脳と味覚を揺さぶり呼び覚ますであろう。今年のサンマは、とにかく品がよい。腹側はこんがり焼いて混ぜ飯にし、あとの数尾は梅煮にしてじっくり味わうとしよう。そうしてサンマひと箱、あっという間に消えるのですよ。

(ウエカツ水産代表 上田勝彦)

=次回は29日掲載予定

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