IR申請受付開始 名乗り上げる3地域、計画策定急ぐ

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、国への整備計画の申請受付が始まり、自治体の誘致活動が本格化する。大阪府市、和歌山県、長崎県の3地域はすでに事業者を選定し、計画の取りまとめを急ぐ。国は「最大3カ所」とするが、すべての地域が選ばれるかは不透明で、各地域は独自性を打ち出せるかが焦点になる。

大阪府の吉村洋文知事は1日、記者団の取材に「世界最高水準のIRを魅力ある大阪ベイエリアに誘致したい」と強調。令和7年開催の大阪・関西万博の会場にもなる同市の人工島・夢洲(ゆめしま)での誘致を目指す。

新型コロナウイルスの感染拡大による訪日客の低迷も懸念されるが、吉村氏はワクチンや経口薬の普及に期待感を示し、「感染症に強いIRを事業者と協力しながら進めたい」とした。

一方、和歌山県の担当者は「与えられた期間を有効に使いたい」とする。クレアベスト・グループ(カナダ)を事業者に選定。コンソーシアム(共同事業体)に米カジノ大手が参加することも決まり、事業者と計画の原案作成を進める。

長崎県はリゾート施設「ハウステンボス」の敷地を活用し、早ければ9年度中の開業を目指す。担当者は「われわれが目指すのは都市型ではなく地方型IR。他地域と相互に送客でき、すみ分けが可能だ」と意気込む。

日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は各地が誘致する意義を「観光誘客で地域振興につながり、年間数千億円規模の経済効果が見込める」と説明。その上で「国内だけでなく、シンガポールやマカオなど海外IRとも競合がある。どれだけ特徴のある計画を提案できるかが重要だ」とする。

ただ、3地域すべてが選ばれる保証はなく、ある候補地の関係者は「国は他都市の申請を待っているかもしれない。第一ラウンドで選ばれたい」としている。

IR推進に積極的だった菅義偉首相が退陣し、本命・横浜市も撤退。ムードが盛り下がる懸念はつきまとう。若林氏は「有力な顧客と見込まれていた中国は不動産バブルや景気減速の恐れがある」とし、不安材料を挙げた。