自民新体制で衆院静岡5区に余波…入党へ退路断つ二階派細野氏、支部は岸田派吉川氏支援再要望

衆院静岡5区内の7つの自民党支部が連名で、細野豪志氏の入党拒否を申し入れた=9月30日、県庁(田中万紀撮影)
衆院静岡5区内の7つの自民党支部が連名で、細野豪志氏の入党拒否を申し入れた=9月30日、県庁(田中万紀撮影)

自民党の岸田文雄新総裁による執行部が正式発足した1日、次期衆院選に向け「静岡5区」の動きが慌ただしくなった。旧民主党出身で無所属現職ながら自民党二階派に所属する細野豪志氏は「勝てなければ政界から引退する」と退路を断ち、自民党入りを目指す意向を改めて表明。対する自民党現職の吉川赳氏を支援する同党5区支部は、細野氏の入党拒否を党県連に重ねて要望した。過去3度、因縁の対決を演じてきた両氏。4度目の決戦に向け、さや当てが激しくなっている。

「選挙区情勢は非常に厳しくなった。これを乗り越えなければ、この世界にとどまる資格はない。最後は地元の皆さんの判断に委ねたい」。細野氏は富士市内の選挙事務所での記者会見で、落選すれば政界引退も辞さない覚悟を表明。「政治家として死ぬか生きるかの大勝負」と自身を鼓舞した。

自民党入りを目指して平成31年1月、同党幹事長だった二階俊博氏率いる二階派に入会し、与野党から批判を浴びた細野氏。危機感を強めるのは、過去3回の衆院選で争った吉川氏が所属している岸田派の領袖(りょうしゅう)、岸田氏が新総裁に選ばれたからだ。選挙の応援などで吉川氏に有利に働くとみられ、頼みにしていた二階氏は幹事長を退任し影響力が薄れるとの見方について、細野氏は「自力でやり切るしかない。二階氏が幹事長かどうかは重要ではない」と言い切る。

一方、細野氏に選挙区で過去3度挑んでいずれも敗北し、一昨年に比例代表で繰り上げ当選した吉川氏の地元は、細野氏の入党に強く反発してきた。

この日も、5区内の三島市支部など7人の支部長らがそろって党県連に細野氏の「入党拒否」を求め、一丸となって吉川氏を支援する考えを伝えた。県連の野崎正蔵幹事長も「吉川氏が当選できるよう力を貸してほしい」と応じた。三島支部の矢岸克行支部長は記者団に「不退転の決意で何が何でも吉川さんを支援する」と対抗心をあらわにした。

こうした動きに対し立憲民主党公認の新人、小野範和氏はツイッターに「政権を担うに相応(ふさわ)しい党として、野党共闘の実現に向け活動を進めて参ります」と改めて対決への意気込みを書き込んだ。

5区には政治団体「愛地球党」の新人、千田光氏も出馬を予定している。