〈独自〉ロシア、大和堆周辺で演習か 常態化に懸念も

大和堆とEEZ
大和堆とEEZ

ロシア政府が、日本の排他的経済水域(EEZ)の好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺を含む日本海海域でミサイル演習を行うと通告したことが1日、日本政府関係者への取材で分かった。7月にも同様のミサイル演習を通告しており政府は情報収集を急ぐ。また、ロシアが不法占拠する北方領土の国後(くなしり)島でも新たな軍事訓練を行うと通告したことも判明。日本周辺での軍事活動を常態化する恐れがあり、政府は警戒を強めている。

政府関係者らによると、ロシアは今月3~9日、日本のEEZ周辺を含む日本海の広大な海域を指定し演習の実施を通告。海軍の艦隊がミサイル発射訓練などを行うとみられる。

「海の憲法」とされる国連海洋法条約はEEZでの軍事演習を明確に規制していないが、他国のEEZ内の行動は「妥当な考慮」を払うことを求めている。日本政府は外交ルートを通じ演習海域に日本のEEZが含まれていることをロシア側に指摘し「わが国周辺のロシア軍の活動を関心を持って注視する」と伝えた。

ロシアは7月にも同じ海域でミサイル演習を通告。「過去にない異例な事態」(政府関係者)で、政府は警戒を強めていた。この際は米国のハワイ近海で演習を終えたロシア艦隊が沖縄本島と宮古島の間を通過し、対馬海峡から日本海へ航行したが、ミサイル発射は行われなかったという。

一方、ロシアが先月末、国後島周辺での軍事演習を通告したことも判明。10月中のほぼ連日、射撃訓練を行うとしており、日本政府は外交ルートで抗議した。

ロシア軍は一昨年7月と昨年12月の2回、中国軍と共同で日本海上空を飛行するなど日本海での軍事プレゼンスを強化。国後島と択捉(えとろふ)島に地対空ミサイルシステムを実戦配備するなど、北方領土の実効支配を強める動きも続けている。

日本海では領海などをめぐり米露の主張が対立。ロシアは、極東ウラジオストク沖の日本海最大の湾「ピョートル大帝湾」が領土の内側にある「内水」と規定し、他国の艦船が自由に航行できる無害通航権を認めないと主張しているが、米国は「国際法違反」だと反発し、周辺に米艦船を航行させる「航行の自由」作戦を実施するなどしている。