「戦略的安定」で米露協議 共同部会設置で合意 露、AUKUSへの懸念伝達

【モスクワ=小野田雄一】米国とロシアは30日、核戦力の均衡などを念頭に置いた「戦略的安定」に関する第2回協議をスイス・ジュネーブで開いた。米国からはシャーマン国務副長官、ロシアからはリャプコフ外務次官らが出席。両国は対話の円滑化に向け、共同作業部会を設置することで合意した。

共同声明によると、米露が設置するのは①軍備管理の原則・課題②戦略に影響する能力・行動-をテーマとする2つの作業部会。協議後、リャプコフ氏は記者団に「現時点で米露の共通点は非常に少ない」とする一方、「(両国には)手続きを前進させる意欲と用意がある」と今後の協議の進展に期待感も示した。

リャプコフ氏はまた、米国と英国、オーストラリア3カ国の新たな安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設と豪州への原潜配備計画について、「核不拡散体制にそぐわない」とする懸念を米側に伝えたとも明らかにした。AUKUSをめぐっては、ロシアが戦略的パートナーとする中国が強く反発している。

戦略的安定をめぐる米露協議は、バイデン米大統領とプーチン露大統領による6月の首脳会談での合意に基づく措置で、7月に続き2回目。2月に5年間の延長で両国が合意した新戦略兵器削減条約(新START)の後継となる枠組みづくりが焦点となる。ロシアは英仏両国の枠組みへの参加が必要だとする一方、米国は中国の参加を模索する構えを示している。