三菱電機 検査不正で会長が引責辞任 「経営層と現場に断絶」

【三菱電機会見】不適切検査問題の会見冒頭、謝罪する柵山正樹会長=1日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
【三菱電機会見】不適切検査問題の会見冒頭、謝罪する柵山正樹会長=1日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

三菱電機は1日、鉄道車両用機器などの検査不正を受けて、柵山正樹会長が同日付で辞任したと発表した。不正を防げなかった責任を取った格好だ。経団連副会長も退任した。杉山武史前社長も7月に引責辞任しており、両トップが辞任する事態となった。外部有識者による調査委員会は報告書を同日公表。再発防止に向け「従業員が安心して声を上げることができる企業風土を構築すべきだ」と改革を提言した。

柵山氏は東京都内の本社で会見し、「最も大きな課題は経営層と現場の断絶だ。心から責任を痛感している」と述べた。杉山氏と一緒に7月に辞任したかったが、体制立て直しのため社外取締役から慰留されたと説明。再発防止策に道筋がついたとして辞任を決めたと明かした。

漆間啓社長は「現場が経営層に相談できなかったことに関しては、執行役は反省しないといけない。しっかりとコミュニケーションを取り改善したい」と述べた。

調査委の委員長を務める木目田(きめだ)裕弁護士は柵山、漆間両氏に先立って会見し、「経営層はもっと深く現場に関与していくべきだった」と述べた。

調査委は、名古屋製作所可児工場(岐阜県可児市)、長崎製作所(長崎県時津町)など5拠点の不正を認定。不正の原因について「『品質に実質的に問題がなければよい』という正当化が行われていた」と指摘。工場単位で「内向きな組織風土」があり、本社と距離があったことも挙げた。他の拠点についても調査を進め、来年4月ごろまでに完了させる方針だ。

三菱電機は同日、社長直結の品質改革推進本部を新設。来年4月には、外部から品質担当執行役員を3人程度招(しょう)聘(へい)する。取締役会の監督機能を強化するため、取締役会議長に社外取締役の藪中三十二(みとじ)氏が就任したことも明らかにした。