品質めぐる申告2305件 三菱電機外部調査委、事実関係精査へ

【三菱電機会見】不適切検査問題の会見に臨む、漆間啓社長(右)と同日で辞任した柵山正樹氏=1日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
【三菱電機会見】不適切検査問題の会見に臨む、漆間啓社長(右)と同日で辞任した柵山正樹氏=1日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

三菱電機の検査不正問題をめぐり、外部有識者による調査委員会が公表した調査報告書は、問題が起きた原因として、縦割り組織ならではの風通しの悪さも指摘した。同社は平成28年以降も3度にわたり全社点検を行ったが、現場の声が経営層に届くことはなかった。

「製作所・工場あって、会社なし」。調査報告書では、同社の特異な組織をそう表現した。三菱電機では事業本部をまたぐ人事異動はまれで、多くの従業員は最初に所属した製作所や工場内で人事異動が行われている。その結果、会社への帰属意識は希薄となり、「閉鎖的な組織が形成された」とした。

また、不正をチェックする品質部門が製造部門の傘下にあることから、独立性が確保されず、課長クラスが多忙を極め、経営層と現場をつなぐ役割を十分に果たせていなかったことも問題の背景にはあったという。

報告書は「(現場は不正について)是正しようがない問題であると考え、大ごとになることを恐れ、問題として取り上げない」という考え方が蔓延(まんえん)していたとも指摘した。

ただ、不正に気付く機会がなかったわけではない。鉄道車両向け機器の検査不正について、当時の社会システム事業本部長だった漆間啓社長に報告がきたこともあったが「不正ではない」との現場の説明をうのみにしていた。

調査委は、従業員へのヒアリングや専用窓口への情報提供を通じて、これまでに品質に関わる問題の申告が延べ2305件寄せられていることも明らかにした。調査委は既に不正が発覚している事業所を含め、全22拠点の調査を行う方針で、同様の問題はさらに広がる可能性もある。(米沢文)