点滴連続死初公判詳報

(4)「犯行に使用の消毒液、流し台の下から」

久保木愛弓被告。事件後もバスで出勤する様子がみられた=平成29年12月、横浜市鶴見区
久保木愛弓被告。事件後もバスで出勤する様子がみられた=平成29年12月、横浜市鶴見区

=(3)に戻る

《横浜市の旧大口病院(現・横浜はじめ病院、休診中)で平成28年、入院患者3人の点滴に消毒液を混入し中毒死させたとして、患者3人に対する殺人罪などに問われた元看護師、久保木愛弓(あゆみ)被告(34)の初公判は正午ごろにいったん休廷し、午後1時25分ごろから再開されて証拠調べが始まった。刑務官に付き添われて入廷した久保木被告は、午前と同じく弁護側の隣の席に座った》

《検察側は、証拠に割り振られた番号に沿って、事件現場となった病院の概要や看護師の勤務状況などについて、次々と説明していく》

検察官「(病院の)勤務体制は日勤と夜勤のシフト制で、実際の出退勤の時刻は、タイムカードで管理されていた。被告が配属された4階の病棟の夜勤は、看護師か准看護師の2人が勤務していた」

《事件で使用されたとみられ、開封済みで発見された消毒液『ヂアミトール』についても、写真を交えながら説明する》

検察官「このヂアミトールは、ナースステーションの流し台の下から発見した。汚物室からも見つかっている」

《裁判員らは、証拠の写真が映し出されるモニターを真剣な表情で見つめる。久保木被告は終始うつむき加減で、身じろぎもしない。検察官は、看護部長や看護師長の供述調書を読み上げ、病院内部の実態についても触れ始めた》

検察官「大口病院には60日以上入院する患者の入る療養病棟と、入院60日以内の一般病棟があった。だが、実際は重篤な患者が多く、一般病棟でも亡くなる人は多かった。終末期医療を受ける患者の入院には、急変時に救命措置をしない自然死を家族が希望しているなどの条件が必要で、患者の9割が他院からの紹介だった」

《看護部長らによると、点滴袋は投与予定の前日午前に病院1階の薬局から届き、投与日時ごとに仕分けされて段ボールに入れられ、ナースステーションで保管されていたという。点滴の投与のタイミングは、日勤では午前10時の1回のみであるのに対し、夜勤では午後6時、同10時、翌午前2時の計3回。夜勤は看護師が2人のみで多忙になるため、日勤担当者があらかじめ、夜勤用の点滴を途中まで準備しておくことが常態化していた》

《午後の審理が始まってから1時間弱が経過したところで、裁判長が「少し中途半端なところですが」と断り休廷を宣言した》

=(5)に続く