【北京=三塚聖平】中国は1日に国慶節(建国記念日)を迎え、7日間の連休が始まった。一部地域で新型コロナウイルスの感染拡大が起きているため、地域をまたいだ旅行を控える動きがあり、緊張感も漂う中で大型連休を迎えた。
国慶節は、1~2月の春節(旧正月)と並ぶ休暇時期で、特に国内外旅行が多いシーズンだ。中国の旅行会社「同程旅行」は、今年の国慶節連休期間の国内旅行客数は延べ6億5000万人にのぼると予測する。これは新型コロナ流行前の2019年の8割程度にとどまる。
影響しているのは、感染力が強いデルタ株の散発的な感染拡大だ。今春以降に広東省や江蘇省、福建省など各地で広がっている。現在は、東北部の黒竜江省で感染拡大が続いており、1日の国家衛生健康委員会の発表によると9月30日には同省ハルビン市で10人の市中感染者が確認された。
「ゼロコロナ」政策をとる中国では、感染者が出るたびに厳格な移動制限などを行い1カ月ほどで流行を押さえ込んでいる。旅先の都市で感染者が確認されれば、2週間の隔離生活を求められることもあるため、安心して旅行に出ることができないという人が少なくないとみられる。
また、不要不急の旅行や大人数での食事を控えるよう呼び掛けている地方当局も多い。中国メディアによると、上海市の一部の学校や幼稚園では、市外に出た場合にはPCR検査の陰性証明書提出を求めている。