ポトマック通信

授業中のポテチ

中学生の娘から学校での出来事を聞いていると驚くことが多い。クラスメートのある男子生徒は先日、授業中にポテトチップスの袋をバリっと開け、授業の間、「パリッ」「パリッ」という音を響かせていたらしい。別の女子生徒は、キャンディーの袋を全員に回して「お裾分け」してくれようとするとか。

「これが自由の国というものか」と危うく感心してしまいそうになるが、米国人に話すと「そこは教師に叱ってほしいよね」と眉をひそめる人が多い。「授業中にお菓子」のような気ままな振る舞いは、決して当たり前なこととみなされているわけではないようだ。

なのになぜ? 取材で知り合った男性の小学校教師は「地域差は大きいけれど…」と前置きした上で、「教師は文句を言われるのを恐れて萎縮している」とため息をついていた。

そもそも米国には保守層を中心に公教育システムに否定的な人も多く、教師が矢面に立たされることがしばしば。地域によっては人材が集まらないので、いわゆる「でもしか教師」も少なくないという。

首都ワシントン近郊は、米国の中ではかなりリベラルで教育熱心な家庭が多く、教育環境は充実しているといわれるが、教師たちはやはり、自分を守るのに神経をとがらせているのかもしれない。(大内清)

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