自民党総裁に選ばれた岸田文雄氏に関し、韓国大統領府高官は30日、「日本の新内閣と未来志向の関係を発展させるため、引き続き協力する」と述べた。韓国では「穏健派の新首相」が就任するとみて、歴史問題などの懸案で日本側の軟化を望む声が上がる。だが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は来年5月の任期満了前に戦後補償訴訟に関する解決策を提示することに消極的で、交渉進展は困難とみられる。
総裁選から一夜明けた30日、韓国メディアでは慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意を外相として主導した岸田氏の対韓外交を分析する報道が相次いだ。
合意当時の交渉相手だった朴槿恵(パク・クネ)前政権の外相、尹炳世(ユン・ビョンセ)氏は経済紙の毎日経済に対し、岸田氏を「合理的で穏健な人物」と評価。「困難な状況でも対話が可能な相手だった」と振り返り、両国関係がさらに悪化した現状でも「関係改善の助けになってくれると期待している」と述べた。