野党、「岸田自民」への対抗軸模索 埼玉

街頭演説に臨む立憲民主党の高木錬太郎衆院議員。自民党の岸田文雄総裁について「どのような方針を打ち出すのか見極めたい」と述べた=30日午前、埼玉県戸田市(深津響撮影)
街頭演説に臨む立憲民主党の高木錬太郎衆院議員。自民党の岸田文雄総裁について「どのような方針を打ち出すのか見極めたい」と述べた=30日午前、埼玉県戸田市(深津響撮影)

自民党総裁に岸田文雄氏が選出され、次期衆院選での与党の「顔」が決まった。衆院選で共闘態勢をとる立憲民主党、共産党などの主要野党は、新たな結集軸の模索を迫られている。近くない将来の政権選択選挙で、野党各党は「岸田自民党」にどう挑むのか。

自民党総裁選から一夜明けた30日朝、次期衆院選で埼玉15区に立候補を予定している立憲民主党現職の高木錬太郎氏(49)は、選挙区内のJR戸田駅(埼玉県戸田市)近くで街頭演説に臨んだ。ただ、岸田氏に対する評価や対決意識表明の言葉はどこか歯切れが悪かった。

「どのような方針を打ち出すのか見極めたい。(新首相を選出する臨時国会で)議論していこうと提案したい。その上で国民の審判を仰ごうじゃないか」

新たな「敵」との間合いを計りかねているように映るのも無理はない。

平成27年の「安保国会」以降、主要野党は、当時首相だった安倍晋三氏に対抗することを最大の結集軸とし、後任の菅義偉首相に対しても同様の対決姿勢を貫いてきた。

象徴的なのは、多くの野党関係者が異口同音に唱えてきた「安倍政権下での憲法改正は認めない」という掛け声だ。本来、特定の政策への賛否は、首相を務める人物が誰かによって左右されるべきものではない。

岸田氏は、リベラル色が濃いとの見方もある岸田派(宏池会)の領袖(りょうしゅう)だ。次期衆院選に向け、新たな「与党の顔」となった岸田氏との向き合い方を主要野党は慎重に見定めようとしている。高木氏は「どういう評価をしますかと聞かれれば『まだ見えませんね』という話。見極めている」と語る。

もっとも、安倍政権と菅政権の延長線上に岸田氏を位置づけて対峙(たいじ)しようという向きもある。

衆院埼玉2区に出馬を予定している共産党新人で元県議の奥田智子氏(52)は30日、産経新聞の取材に対し「岸田氏は『安倍・菅政権』を引き継ぐ人間だ。目新しさはない。新しいかのように見せているが中身は変わらない」と断じ、こう続けた。

「この1年半の『安倍・菅政権』の新型コロナウイルス対策はひどすぎた。国民は疲弊していると肌で感じる。(岸田氏が首相になっても)国民は簡単にはだまされない」

主要野党とは距離を置く日本維新の会も、独自の立ち位置のアピールに力を注ぐ。衆院埼玉15区に立候補を予定している維新新人で元参院議員秘書の沢田良氏(42)は取材に対し「『自民党の一部分が変わったところで問題が解決したのか』と訴えていきたい。全力で自民党との違いを理解してもらえるように動く」と強調した。(深津響、中村智隆)