数字から見えるちば

公共建築木造率16位 森林再生と経済活性化を

2020東京五輪・パラリンピックのために建設された新国立競技場をはじめとする建物には、全国各地の木材が多用されている。選手村ビレッジプラザには63自治体、42事業協力者から借り受けた約4万本の木材が使用されており、千葉県からは、県営林から生産されたスギ材を原料として県内で加工した単板積層材(LVL)が提供されている。大会後は、解体された木材を各自治体で公共施設などにレガシー(遺産)として活用する。

近年、こうした公共建築物への木材利用が増加しているが、その背景の一つには平成22年度に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(木促法)がある。日本は世界有数の森林国であり、国土面積の3分の2を森林が占めるにもかかわらず、整備が行き届かず、土砂災害防止や水源の涵養(かんよう)、地球環境保全といった森林の多面的機能が十分に発揮されていない。安価な輸入材の流入による国産材価格の長期低迷から、林業が産業として成り立ちにくくなっていることが一因である。

そこで政府では、国産材の需要創出や林業の再生をねらい、木造率が低く潜在的な需要が期待できる公共建築物などに重点を置いて国産材の利用を促進してきた。林野庁が発表した試算によると、千葉県の公共建築物の木造率は22年度の5・1%(全国8・3%)から令和元年度は21・2%(同13・8%)に、中でも積極的に木造化を促進する低層の公共建築物の木造率は13・1%(同17・9%)から34・4%(同28・5%)に上昇している。千葉県は県土面積に占める森林の割合(森林率)が全国で最も少ないにもかかわらず、公共建築物の木造率の全国順位は39位(平成22年度)から16位(令和元年度)に上がっており、同様に森林率が低い首都圏の他の都県と比較しても取り組みが進んでいるといえる。例えば昨年リニューアルされた市川市の新庁舎では、議場や市民スペースに国産材が使用され、ぬくもりのあるデザインに仕上がっている。

今年6月には、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成や脱炭素社会の実現などの潮流を踏まえ「木促法」の改正が行われた。主な変更点としては、目的に「脱炭素社会の実現に資する」旨が明記されたほか、木材利用を公共建築物に限定せず民間を含む建築物一般にまで拡大すること、木材利用促進本部の設置などだ。