韓国「言論弾圧」法、文政権での成立断念か

【ソウル=時吉達也】国内外で「言論弾圧法」として批判された韓国の「メディア仲裁法」改正案について、文在寅(ムン・ジェイン)政権の与党「共に民主党」は9月29日、法案の強行採決を断念し、新たに協議体を構成して議論を継続することで野党側と合意した。法案採決の時期は明示されず、韓国メディアは、「次期政権に先送りされた」などと報じた。次期政権は来年3月の大統領選後、同5月に発足する。

与野党は、フェイクニュースの主な発信源となっているユーチューブなどを対象に加え議論を拡大することで合意。協議期限は12月末に設定された。

与党は8月末、国連機関を含む国内外の批判を受けて採決期日を9月27日に延期したが、追加協議でも法案の主要内容の削除を求めた野党側との合意に至らなかった。国会の約6割の議席を占める与党は採決強行を検討したものの、大統領選への影響を考慮し法案処理を先送りした。

同法案は報道による人権侵害の救済策などを定め、「故意や重過失」による虚偽・捏造(ねつぞう)報道に対し損害額の最大5倍の賠償を報道機関に命じるなどと規定。故意性や過失の定義が抽象的で、「恣意(しい)的な判断が下されるおそれがある」との懸念が広がっていた。

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