話の肖像画

台北駐日経済文化代表処代表・謝長廷(75)(28)われわれは自由と民主主義を守り抜く

当時は野党だった民進党の立法委員として党関係者らと訪中した謝長廷氏(右端) =1993年7月
当時は野党だった民進党の立法委員として党関係者らと訪中した謝長廷氏(右端) =1993年7月

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《台湾にとって対中関係をどうするかが重大な課題だ》


中国は「一国二制度」を台湾にも認めさせようとしていますが、蔡英文政権はこれを明確に拒否しています。民主主義の台湾は、共産主義の中国とどう向きあっていくべきなのか。しかし強調すべき重要な点は台湾は自由と民主主義を守り抜きたいだけであって、中国と敵対する意図などないということです。

台湾の安定には「変数」が3点あります。まず民主主義を堅持しようとする台湾住民の強い意志と、それを支える有効な防衛力が維持できるかどうか。

次に中国の内部に何らかの変化が起きるかどうか。安定か分裂か。予測不可能です。そして日米を含む国際社会がどこまで台湾を支持し続けてくれるか。時期や程度は別として、いずれも変化する可能性があると考えておかねばなりません。


《とくに中国の実情を観察し続ける必要がありそうだ》


中国の現実を自分の目で見ようと、立法委員(国会議員に相当)だった1993年、姚嘉文(よう・かぶん)さんらと訪中しました。民進党が執政党になった翌年、2001年に高雄市長としても訪中を検討したことがありました。

民進党として共産党と意思疎通を図ることに期待していました。当時まで一貫して共産党と敵対を続けていた国民党勢力とは異なる、新しい台湾の姿を中国がどう受け入れるか。

仮に民進党が対中関係でリードできれば、中台両岸問題は与野党対立の焦点にはならなくなり、経済や社会保障などの課題に集中できると考えました。