「もう一度、自由に、楽しんで」スポーツクライミングの楢崎智、パリ五輪へ始動

世界選手権男子ボルダリング決勝で2位に入った楢崎智亜=モスクワ(AP)
世界選手権男子ボルダリング決勝で2位に入った楢崎智亜=モスクワ(AP)

スポーツクライミングで東京五輪男子代表の楢崎智亜(ともあ)(TEAM au)が、今月16~21日にモスクワで開催された世界選手権に臨んだ。当初はスピードを含めた3種目に出場予定だったが、2024年パリ五輪での金メダル獲得に向けて、ボルダリングとリードに絞って出場。ボルダリングで2位、リードで5位に入り、総合力の高さを見せつけた。

オンライン記者会見で、2種目に絞ることを表明したスポーツクライミング男子の楢崎智亜
オンライン記者会見で、2種目に絞ることを表明したスポーツクライミング男子の楢崎智亜

3年後のパリ五輪への金メダルに向けて、楢崎智は大きな決断を下した。

スポーツクライミングは東京五輪ではスピード、ボルダリング、リードの複合で争われたが、パリ五輪では、ボルダリングとリードによる複合と、スピードの2種目に分かれる。スピードも上位を狙える実力があり、当初は参戦に意欲を示していたが、複合に絞る考えを明かした。「スピードをやり込んできて、さらにタイムが上がる兆しも見えてきたので、悲しい気持ちもある。でも、ボルダリングやリードで到達したい目標を考えたときに時間が足りなくなるので、あきらめた」。苦渋の末の選択だった。

世界選手権ではボルダリングで連覇を狙った。準決勝は首位通過。だが、6人による決勝では3完登の2位に終わり、全4課題(コース)を完登した藤井快(こころ)に頂点を譲った。リードも5位で、目標の表彰台には届かなかった。本人は悔しかったに違いない。それでも、日本代表の安井博志ヘッドコーチは「東京五輪が終わってから1カ月半しか間がなく、心身の疲労がまだ残っている中だったが、(ボルダリングでは)見事にメダルを獲得した。両種目でしっかりと実力を発揮してくれた」とパリ五輪への上々のスタートをたたえた。