トヨタ不正、作業現場に過剰負荷

車検不正問題についてオンラインで記者会見するトヨタ自動車の国内販売事業本部の佐藤康彦本部長=29日午後
車検不正問題についてオンラインで記者会見するトヨタ自動車の国内販売事業本部の佐藤康彦本部長=29日午後

トヨタ自動車系列の販売店で6600台を超える規模で不正車検が行われていたことが29日、明らかになった。背景には、作業時間の短縮や、人手が不足するなかで職場に過重な負荷がかかっていた実態がある。トヨタと販売会社は協力して、職場環境の改善や人材確保などで再発防止を図るとしているが、失われた信用を回復する道のりは険しい。(宇野貴文)

「販売会社の経営層が営業成果重視で現場に無理をさせ、メーカーも表彰制度で助長した」。トヨタ国内販売事業本部の佐藤康彦本部長はオンラインの記者会見でこう説明した。

トヨタ系列の販売店では作業の無駄を極力減らす「トヨタ生産方式(TPS)」を導入する動きが拡大。車種や年式などで異なる作業時間を短縮する傾向が強まり、ネッツトヨタ愛知プラザ豊橋(愛知県豊橋市)では、最短45分で終える「45車検」を展開していた。

トヨタは不正車検発覚後の8月、最短45分で車検が完了するとのホームページ上の記載を削除。国の業務を代行する民間車検に対する販売店の認識の甘さがあったことを認めた。

また、人手不足による現場の負荷も不正の背景にあったとし、外国人留学生や技能実習生を含めた採用促進などを課題に挙げた。

佐藤氏は「エンジニアを志願する若者は少なくなっているが、クルマが好きで、販売店で働いている人もいる」と説明。「高度化したモビリティー(移動手段)が出るなかで、夢のある職場にしないといけない。オールジャパンで取り組む問題だ」と述べ、自動車業界の人材育成について言及した。

車検不正が確認された販売会社はトヨタモビリティ東京、ネッツトヨタ山梨、ネッツトヨタ愛知、三重トヨタ自動車、鳥取トヨペット、広島トヨタ、トヨタカローラ山口、徳島トヨペット、トヨタカローラ愛媛、長崎トヨペット、トヨタカローラ宮崎、鹿児島トヨペット、トヨタカローラ鹿児島、ネッツトヨタ沖縄、沖縄トヨタ。