中国恒大、資産売却 資金繰り綱渡り

中国恒大集団の本社ビル=2月、中国広東省深圳市(共同)
中国恒大集団の本社ビル=2月、中国広東省深圳市(共同)

【北京=三塚聖平】巨額負債で経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大(こうだい)集団は29日、傘下の地方銀行、盛京銀行(遼寧省瀋陽市)の株式を99億9300万元(約1700億円)で売却すると発表した。同日には米ドル建て社債の利払い4750万ドル(約52億6千万円)を迎えたが、売却資金が利払いに充てられるかは不透明だ。

売却先は国有企業の瀋陽盛京金控投資集団で、恒大は「国有企業を大株主とすることで銀行経営の安定に有益だ」と強調。売却で得る資金は盛京銀行の債務返済に充てるというが、「売却は恒大と全株主の全体の利益に合致する」と用途に含みを持たせている。

恒大は、23日が期日だった別のドル建て社債の8353万ドル(約92億円)の利払いを実行せず、30日間の猶予期間にある。資金繰りは綱渡り状態とみられ、デフォルト(債務不履行)の危機が引き続き懸念されている。

株式売却は、恒大問題を金融システムに波及させないため中国当局が水面下で後押しした可能性がある。

一方、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは29日、恒大の格付けを「債務不履行間近」との評価である「C」に引き下げた。