「身に余る結果を残すことができた。選挙は勝ち負けだから、結果は結果として重く受け止める」
29日の自民党総裁選終了後、高市早苗前総務相は「結果報告会」に集まった議員を前にこう述べた。
当初は泡沫(ほうまつ)候補扱いの高市氏だったが、高市氏を支持した安倍晋三前首相の出身派閥である細田派(清和政策研究会、96人)を中心に、保守系議員の間で支持が拡大した。国会議員票は全体で2位の114票まで積み上がった。
一方で、党員・党友票での伸び悩みが最大の敗因となった。終盤戦まで陣営は手応えを感じていた。しかし、都道府県別で1位を獲得したのは高市氏の地元の奈良県のみで、安倍氏の地元・山口県でさえ岸田文雄総裁の後塵(こうじん)を拝すなど、地方の弱さが浮き彫りとなった。
高市氏は「党員票が足りなかったのは全て私の不徳の致すところだ」と釈明。高市氏周辺は「新型コロナウイルスの影響で地方行脚ができず、名前が浸透しなかった」とこぼす。
とはいえ、「次」につながる敗戦でもあった。結果報告会に出席した安倍氏が「私たちは高市氏を通じて、本来自民党はどうあるべきか、しっかりと訴えることができた。他の候補にも影響を与えた」と語ると、出席議員から拍手が起きた。
高市氏も「私は歩みを止めない。政策を磨き上げ、また次に向かって一緒に歩んでくださることをお願いする」と語り、「女性初の首相」に再挑戦する意欲をにじませた。
(広池慶一)