自民党の新総裁に選ばれた岸田文雄前政調会長。小中学校時代の同級生にとって、当時の岸田氏は目立たず、穏やかな性格だった一方、協調性があり、人望が厚かったという。
岸田氏は小学1~3年の間、通商産業省に勤めていた父の文武氏らとともに米ニューヨークで暮らし、現地の小学校に通学。帰国後は、自民党本部の向かいにあった東京都千代田区立永田町小(現・麹町小)へ転入した。
永田町小の4~6年で同じクラスだった石川二郎さん(64)は、岸田氏と四谷の公園で野球をして遊んだことと、自宅が大きかったことを覚えている。学校に外国人が訪れたときには、岸田氏が〝通訳〟を任されることもあり、後に外相を務める能力の片鱗(へんりん)を見せていたという。
中学は区立麹町中に進学。岸田氏の学年は11組まであり、クラスが違った同級は「当時の岸田氏のことは、あまり印象にない」と口をそろえる。
ただ、バンド「カシオペア」の元メンバーで、ベーシストの桜井哲夫さん(63)は「人と競争するというよりは共存するタイプ。人望が厚かった」と振り返る。「今も思慮深く、誠実。こういう人に日本のリーダーになってほしい」と期待した。