浪速風

「安い国」日本

日本で物価が上がらないのは、物価が上がらないからだ―。何のこっちゃという話だが、企業は収益が厳しくとも値上げを避け、消費者もそれを当然のことと受け止める。物価が上がらないことがノルム(正常な慣習)になり、抜け出せなくなっているという(原田泰著『デフレと闘う』)。それで、売り上げも給料も伸びにくい

▶10月から乳製品や一部の外国車が値上げされ、国が輸入した小麦の製粉会社への売り渡し価格も引き上げられるが、経済の専門家からは消費への悪影響を指摘する声も。懸念が現実のものとなれば、ほかの商品を扱う企業は低価格に甘んじるしかない

▶一方、世界ではこれまでに少しずつ物価や給料が上がってきた。結果、日本は相対的に「安い国」になったとされる。安いのはうれしいが、悲しいかな日本で暮らす人よりも外国から訪れる人の方が恩恵を受けているらしい。物価のノルム打破は、新しい内閣の最も重要な任務の一つだ。