米軍幹部、バイデン氏に「2500人規模の兵力維持」を進言 バイデン氏は撤収強行

米軍のミリー統合参謀本部議長(AP)
米軍のミリー統合参謀本部議長(AP)

【ワシントン=黒瀬悦成】米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長と中央軍のマッケンジー司令官は28日、上院軍事委員会のアフガン駐留米軍撤収に関する公聴会で証言し、米軍部隊を完全撤収させればアフガン政府が崩壊するとして、2500人規模の兵力を維持するようバイデン大統領に進言していたことを明らかにした。バイデン氏がこうした提言を無視して撤収を強行したことを裏付けるもので、同氏の判断が改めて問われそうだ。

ミリー氏は米軍の完全撤収に関し、短期間で米民間人やアフガン人協力者を含む十数万人を退去させた点で「兵站(へいたん)面では成功した」としつつ、米軍の撤収開始を受けてイスラム原理主義勢力タリバンが8月15日に首都カブールを制圧し、ガニ政権を転覆させたことを念頭に「戦略的な失敗だった」と明言した。

バイデン氏は8月中旬のABCテレビとのインタビューで、米軍将官からは米軍部隊を維持すべきだとの進言はなかったと述べており、今後、ミリー氏らの証言との食い違いを追及されるのは確実だ。

また、ミリー氏は、アフガンのタリバンに関し「今もテロ組織のままだ」とし、「国際テロ組織アルカーイダとも絶縁していない」と指摘。アルカーイダやイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)系武装勢力が今後1~3年間に力を蓄え、米国を攻撃する恐れは「極めて現実的だ」と訴えた。

一方、公聴会に同席したオースティン国防長官は、アフガン政府軍がタリバンにまともに抵抗することなく崩壊したのは「驚きだった」と述べた。