菅首相記者会見詳報

(1)「感染再拡大しても十分機能する体制を」

会見で労いの言葉を受け笑顔の菅義偉首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)
会見で労いの言葉を受け笑顔の菅義偉首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)

菅義偉(すが・よしひで)首相は28日の記者会見で、19都道府県に発令している緊急事態宣言と8県に適用中の蔓延(まんえん)防止等重点措置について30日の期限で解除することなどを発表した。会見の詳報は以下の通り。

「先ほど新型コロナウイルス対策本部を開催をし、19都道府県の緊急事態宣言および8県の蔓延防止等重点措置の全てを、9月30日をもって解除し、制限を段階的に緩和することを決定を決定をいたしました。4月以降、感染力の極めて強いデルタ株によって全国各地でかつてない勢いで感染が拡大をしました。それに伴い、病床の逼迫(ひっぱく)は非常に厳しい状況となりました。

こうした中で医療介護関係者、飲食などの事業者、国民の皆さん、お一人お一人にご協力をいただきながら、医療体制の構築、感染防止対策、ワクチン接種、懸命に進めてまいりました。多くの皆さまのご尽力により8月の半ば過ぎに2万5000人を超えていた全国の新規感染者数は大幅な減少を続け、昨日は1128人となりました。東京では5773人から本日は248人まで減りました。

病床の利用率は全ての都道府県において50%を下回り、重症者は9月初めをピークに減少傾向にあります。一時は全国で13万人を超えた自宅療養者も3万人となり、なお減り続けております。現在の状況は先般、専門家から示された宣言解除の基準を満たしており、解除を判断いたしました。

これまでにご協力いただいた全ての皆さま方に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。その上で、ウイルスへの高い警戒は保ちながら、飲食などの制限については、段階的に緩和することといたします。

これから新型コロナとの戦いは新たな段階を迎えます。ワクチン接種が急ピッチで進む中で、感染リスクが高い場面を抑えることにより、感染者数は大きく減っています。またワクチン接種と中和抗体薬で重症化を防ぐことができます。

新規感染者に死者の割合は、1月から3月の3カ月は2.4%、4月から6月は1.7%であるのに対し、今回の感染拡大期に対応する7月から9月の3カ月では0.3%にとどまっております。こうした大きな変化に対応した医療体制の構築により、一定の感染が生じても、安定的な医療の提供ができるようになります。

今後はウイルスの存在を前提とし、社会全体の対応力を高め、次の波に備えながら感染対策と日常生活を両立していくことが重要です。そのためには次の3つの方針で進めていかなければならないと思います。

第1に医療体制のもう一段の整備です。7月以降に全国で4800病床、1万4000室の軽症者用のホテルを確保し、さらに臨時の医療施設、酸素ステーション、あわせて全国で約80施設を設置し、現在も増設を進めております。自宅で療養する方々に対しては、身近な診療所や在宅医療の専門医が健康観察や入院の判断を行い、必要な医療が受けられる体制を各地で構築しております。

私がお会いをした在宅医療のチームは勤務医の方々が交代で訪問診療にあたり、クラウドファンディングや企業の寄付も活用して、献身的に活動をされておられました。また、効果の目覚ましい中和抗体薬については、すでに3万4000人に使用されています。診療報酬も大幅に引き上げて、入院しなくても、自宅への往診や外来診療でも使えるようにしました。

翌日には効果を表す画期的な薬を使えることについて、医師冥利(みょうり)に尽きる、こうした医療現場の声も伺いました。持てる力をすべて使って構築した、これらの資源をフル活用して今後、再び感染拡大が発生したとしても、十分に機能する体制を作っておかなければなりません。

各都道府県と医療機関が協議し、いざというときにすぐに活用できる病床や人材を確保できるように方針の作成を進めます。

そして、皆さまにはこれまで同様にマスク、手洗い、3密の回避という基本的な予防を続け、感染リスクの高い行動は避けていただくようお願いをします。昨日から、抗原検査キットを薬局で購入できるようにしました。体調が気になる場合には、自ら検査を行い、医療機関の受診につなげていただきたいと思います」

=(2)に続く