3歳児虐待死事件で…大阪・摂津市長が会見「問題を検証」 事件後に市へ意見約400件

3歳児が虐待死した事件を受けて会見する大阪府摂津市の森山一正市長=28日、摂津市役所(前川純一郎撮影)
3歳児が虐待死した事件を受けて会見する大阪府摂津市の森山一正市長=28日、摂津市役所(前川純一郎撮影)

大阪府摂津市のマンションで8月、新村桜利斗(にいむら・おりと)ちゃん=当時(3)=が母親の交際相手に熱湯をかけられ死亡した事件を受け、同市の森山一正市長は28日、記者会見を開き「非常に残念で重く受け止めている」と沈痛な表情で語った。桜利斗ちゃんの虐待を疑う情報が複数回、市に寄せられていたが、命を救うことはできなかった。「細心の注意を払って対応してきたが、どこに問題があったのか検証したい」とも強調した。

森山市長は、市の対応について「自治体としてできる限りの対応はしてきた」と説明。だが、児童相談所に桜利斗ちゃんの一時保護を求めなかったことや警察と情報を共有しなかった点に「判断に至る確証が得られなかった」としている。

今後、市は府が設置する検証委員会で問題点などを検証。市独自でも調査を実施して再発防止に努める方針とした。

桜利斗ちゃんと母親は平成30年10月に摂津市へ引っ越してきて以来、市の担当者らが90回以上にわたって家庭訪問や面談などを実施。児相とも定期的な意見交換を行いながら家族を見守ってきた。

森山市長は「児相は多くの案件を抱えており、関係機関と連携しながら対応を分けていた」と説明。その一方で「児相で受けた案件は即警察に通報するが、自治体の案件を通報する制度はない」との問題点も挙げ、児童虐待は「児相と警察との連携が大切。自治体としても現状を意見する必要がある」と指摘した。

市では子育てなどに関する相談が数多く寄せられる。森山市長は「財政事情や人員に限りもある。府や国から権限が移譲されるたびに、財源と人員が付いてくるわけではない」と釈明しつつ、市の責任で「苦しいが、やっていかなければならない」と話した。

市によると、事件が発覚した今月22日から26日にかけて、市民らから「なぜ防げなかったのか」「もっと対応を考えられなかったのか」などの意見が約400件も寄せられたという。