被差別部落の地名掲載は「違法」 出版社に賠償命令

被差別部落の地名リストなどを書籍として出版したりホームページ(HP)上に掲載したりするのは差別を助長し、プライバシー権の侵害に当たるとして、部落解放同盟の幹部ら約230人が出版社「示現舎(じげんしゃ)」(川崎市)と代表の男性を相手取り、出版・掲載の差し止めや計約2億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。成田晋司裁判長は「公開は公益を図る目的でないのは明白」として違法性を認定し、該当する部分の出版禁止やHP上からの削除、計約488万円の支払いを命じた。

判決理由で成田裁判長は、原告が差し止めを求めた情報は、自ら被差別部落出身だと公表している人らを除き「プライバシーを違法に侵害するものだ」と指摘。結婚、就職差別などの深刻な損失を招く恐れがあるとした。

被告側は、地名リストの公開を禁止することは「研究や表現の自由の侵害だ」と主張したが「研究に必要な情報の一部を引用することまでは妨げるものではない」として退けた。

判決によると、示現舎は平成28年、全国5367地区の地名リストを記載した戦前の「全国部落調査」を復刻出版するとネット上で告知。複数のサイトに地名リストや解放同盟幹部の個人情報を掲載した。解放同盟側は、出版やネット掲載の差し止めを求める仮処分を申し立て、横浜地裁などは同社側に出版禁止やサイト削除を命じた。