中国恒大の資金流用防止へ 地方政府が管理強化

香港にある中国恒大集団の建物=2018年3月(ロイター=共同)
香港にある中国恒大集団の建物=2018年3月(ロイター=共同)

【北京=三塚聖平】中国誌の財新(電子版)は27日までに、巨額負債で経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大(こうだい)集団が住宅建設資金を別事業の債務返済に流用するのを防ぐため、中国各地の地方政府が恒大専用の口座開設を進めていると報じた。建設計画が頓挫して住宅購入者に混乱が広がることを防ぐ狙いで、地方政府が同社への管理を強め始めている。

財新によると、恒大は1200カ所以上の住宅などを販売しており、建設途中のものも多数あるもようだ。少なくとも江蘇、安徽、河南、貴州など8省・自治区と広東省の一部都市で8月末から、住宅購入者が恒大に支払った資金を保全するための専用口座を開設しているという。

恒大は、不動産開発以外の事業でも資金繰りが悪化している。地方政府は、住宅建設に必要な資金が他事業の穴埋めなどに使われることを警戒している。

同社傘下で電気自動車(EV)事業を手掛ける中国恒大新能源汽車集団(恒大汽車)は26日夜、中国版ナスダックと呼ばれる上海証券取引所の新興企業向け株式市場「科創板(かそうばん)」への上場を断念すると発表。恒大汽車は香港市場に上場しているが、今後の資金繰りに影響する可能性がある。

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