元画商ら2人を著作権法違反容疑で逮捕 偽版画事件

警視庁=東京都千代田区
警視庁=東京都千代田区

日本画の巨匠、平山郁夫らの偽作版画が流通した問題で、警視庁は27日、著作権法違反の疑いで、大阪府池田市の元画商、加藤雄三容疑者(53)と奈良県大和郡山市の版画工房経営、北畑雅史容疑者(67)を逮捕した。加藤容疑者は北畑容疑者から納品された偽作の一部を他の画商らに販売したとみられ、百貨店にも流通。美術界を揺るがした偽作版画問題は刑事事件に発展した。警視庁は制作の経緯など全容解明を進める。

捜査関係者によると逮捕容疑は、共謀して遺族の許諾なく、有名画家の版画作品を複製したとしている。

北畑容疑者はこれまでの産経新聞の取材に、加藤容疑者から「絶対に迷惑はかけない」と言われ、約10年近く前から依頼を受け偽作版画を制作したと証言。平山郁夫や東山魁夷(かいい)らの少なくとも40作品で計約800点を制作したと明かしていた。「金に困っていた。(流通させるとは思わず)ほかの用途で使うと想像していた」などとも話していた。

「日本現代版画商協同組合」(日版商)の複数の組合員が昨春、同じ版画が多く流通していることなどに気づいて調査。サインや色合いに不自然な点が見つかった。

加藤容疑者が偽作への一部関与を認め、日版商は除名処分にするとともに、警視庁に相談。警視庁が昨年12月に関係先の捜索に踏み切り、偽作とみられる約80点の版画を押収して調べを進めていた。

日版商も調査委員会を立ち上げ、加藤容疑者が持ち込んだ版画を鑑定。今年5月までに鑑定を終えた計10作品201点のうち約6割に当たる120点で偽作と結論づけた。

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