千葉県富津市でノリの「種付け」始まる 江戸前ノリの産地

養殖用の大型網にノリの「種付け」をする漁師ら=27日午前8時半ごろ、富津市の富津漁港(平田浩一撮影)
養殖用の大型網にノリの「種付け」をする漁師ら=27日午前8時半ごろ、富津市の富津漁港(平田浩一撮影)

江戸前ノリの産地として有名な千葉県富津市の富津岬一帯で、地元の漁業協同組合によるノリの種付け作業が始まった。陸上採苗方式と呼ばれ、巨大水車を使い、網にノリの胞子をつけて養殖する。水車が回る光景は富津の秋の風物詩。例年通りであれば、11月ごろに東京湾の海風に育まれた新ノリの収穫が始まる。

このうち、富津漁業協同組合では27日早朝からノリの種付け作業が始まった。組合員らはノリの胞子が付いたカキ殻を水槽に浸し、長さ約20メートル、幅約1・8メートルの網を巻きつけた水車を回転させ、網に胞子が付くように次々と網の目をくぐらせていった。

網は別の水槽に移して、胞子に芽を出させ、冷凍保存し、海水温が23度以下になるのを待って、沖合約500メートル~3キロの海面へ船で運ばれ、海岸線に沿って順次設置される。

東京湾のノリ養殖は近年、不作が続いている。温暖化による海水温の上昇やクロダイによる食害が原因ともみられている。県水産総合研究センターの島田裕至(ゆうし)さん(45)は「ノリの天敵のクロダイはやっかいもの。今年はうまくいきたいものですね」と話していた。