総裁選を追う

残り2日、支持上積み「訴え届いている」

(左から)河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(代表撮影)
(左から)河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(代表撮影)

自民党総裁選は27日、投開票まで残り2日となった。郵送による党員・党友の投票は大半が済んだとみられ、今後のかぎは国会議員票の上積みだ。

大勢引き連れ必勝祈願 午前9時45分、岸田氏

首相の菅義偉は朝、米国出張からの帰国の記帳のため皇居を訪問。10時前、東京・永田町の官邸で執務を始めた。ただ現在、政治の主舞台はここではない。

同時刻、前政調会長の岸田文雄は、官邸の目と鼻の先にある日枝神社にいた。総裁選の必勝祈願である。

境内では大勢の報道陣や関係者らがぞろぞろと後に続いた。菅内閣では無役だが、国会議員票で先行しているようだ。「少しずつ訴えが届いていると感じている」。参拝後、記者団に手応えを語った。岸田は自身の特長を「聞く力」と語る。時にリーダーシップに物足りなさを感じさせるが、党内の議員の反感は買いにくい。

旧竹下派会長代行で外相の茂木敏充はこの日の派閥会合で「政権の安定、幅広く意見を吸収していく(人)ということを考え、岸田さんを支持したいという声が多かった」と事実上の支持を表明した。

96歳女性の身の上話を聞く 午前10時、河野氏

同じころ、ワクチン担当相の河野太郎は、環境相の小泉進次郎とともに東京都新宿区の集合住宅前で、買い物に出るのが難しい高齢者ら向けにトラックで販売する「移動式スーパー」を視察していた。

河野は買い物客の96歳女性の身の上話を相づちを打ちながら聞いた。「行政をデジタル化し、買い物に行けない人がどこにいるかを可視化すると、いろいろなサービスを提供できる」。記者団にこう語った。

売りは突破力で党員・党友の人気はトップ。しかし議員票は伸び悩みが指摘されている。討論会を重ねるうちに「聞かん坊」「乱暴」との批判が出ている。高齢者に耳を傾ける姿は、マイナスイメージを払拭する狙いもあるのだろうか。

弾圧の窮状訴えに傾聴 午後4時45分、高市氏

劣勢が伝えられる幹事長代行の野田聖子は午後1時、全国農業協同組合中央会(JA全中)会長の中家徹らと意見交換した。記者団に「最後まで走り抜く」と意気込んだ。

前総務相の高市早苗は4時45分、国会内の会議室で、日本に住むチベット、ウイグル、内モンゴル(南モンゴル)、香港の人たちと面会した。

高市は中国政府の弾圧を受けるそれぞれの窮状を聞いた。ライバルの岸田は人権問題担当の首相補佐官新設を提唱している。主催者に「いいアイデア。高市内閣でも採用してほしい」と求められると、「人権および経済安全保障担当の補佐官が必要だ」と応じた。(敬称略)(田中一世)