「知的障害者の日常を伝えたい」 漫画とエッセー「はるはる日記」出版 古河市の戸原さん

「はるはる日記」を紹介する戸原一男さん=古河市内
「はるはる日記」を紹介する戸原一男さん=古河市内

全国の障害者就労支援施設を取材し、フリーライターとして活動する古河市の戸原一男さん(60)が今月、知的障害者の日常を描いた漫画&エッセー本「はるはる日記」を発行した。障害者就労支援施設での勤務経験や取材での話を作品に反映させており、「難しいことを考えずに、笑って楽しんで読んでもらうことが一番。漫画を通して知的障害者の行動を知ることで、理解が広がってほしい」と話す。(谷島英里子、写真も)

はるはる日記はA5判112ページ。50話の漫画(1話6~10コマ)と漫画を解説したエッセーで構成されている。障害者就労支援施設で働くキャラクター「はるちゃん」が知的障害者の「あるある話」や事業開発のヒント、支援の在り方をユニークに紹介する。イラストレーターの伊東ぢゅん子さんが漫画化し、エッセーを戸原さんが手掛けた。

戸原さんは障害者就労支援施設に約20年勤務し、現在は全国の障害者就労支援施設を270カ所以上取材する。戸原さんの妻も約35年にわたり知的障害者の就労支援施設で働いている。そのため、多くの知られざるエピソードを持ち合わせている。「これまでの福祉本にはなかった切り口で、知的障害者の魅力を伝えたい」との思いで制作が始まった。

「彼らは決してチャリティー(公益的な社会貢献活動)の対象ではなく、魅力的なキャラクターの持ち主ばかり」と話す戸原さん。「はるはる日記」には「人懐っこく、初対面の人にも物怖(ものお)じしないダウン症のさなえちゃん」「施設中の家電を解体してしまう問題児のしゅうじくんがリサイクル工場で大活躍」「お金の計算ができなくても、得意の大きな声での接客で完売に至るトップセールスマンのりょうまくん」―などさまざまなキャラクターが登場する。エッセーには漫画の解説だけでなく、知的障害者と地域との関わり方や、能力の生かし方も盛り込まれた。

8月2~30日にクラウドファンディングサイト「Makuake」で、「はるはる日記」の予約購入を募ると129人が申し込んだ。その後ウェブサイトでも販売を始めると今月中旬までに販売数は320冊を超えたという。

戸原さんは出版にあたり「障害者の家族や支援員だけでなく福祉を学ぶ学生やボランティア関係者、そして一般の人にも手に取っていただけるようになるのが願い」との思いを込める。今後はアニメーション制作も構想中という。

価格は税込み2千円。購入などの問い合わせは戸原さん(090・5764・7651)。