重症病床使用率、東京以外ステージ3以下 「東京・沖縄に蔓延防止を」

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館(納冨康撮影)
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館(納冨康撮影)

新型コロナウイルスに感染した重症者の病床使用率が東京を除いて50%未満となり、政府の対策分科会が示すステージ3(感染急増)以下となったことが25日、厚生労働省のデータの分析で分かった。

前週まで重症者の病床使用率が50%以上でステージ4(爆発的感染拡大)だった千葉、神奈川、奈良、沖縄の数値が改善し、ステージ3となった。東京も前週の76・1%から52・3%に減少し、ステージ3に迫っている。

全体の病床使用率や入院率も改善。新規感染者数も下落傾向が続いており、東京や沖縄などを除く42道府県がステージ3以下となった。分科会が9月8日に緊急事態宣言解除の基準として提示した複数の指標のうち▽重症者の病床使用率50%未満▽全体の病床使用率50%未満▽入院率の改善傾向▽新規感染者数の安定的な下降傾向-を大半の自治体で満たしたことになる。

人口10万人当たりの療養者数は減少傾向にはあるものの、愛知で85・6人、大阪で104・6人、沖縄で148・2人など、ステージ4の基準である10万人当たり30人以上を大幅に上回る自治体が複数あった。

「東京・沖縄に蔓延防止を」東京医科大・濱田篤郎特任教授

重症者の病床使用率も人口10万人当たり新規感染者数もほとんどの都道府県で下がり、全体的には9月末に緊急事態宣言を解除できる状態になったといえる。

ただ、東京と沖縄では重症者の病床使用率が引き続き高く、医療提供体制はまだ逼迫(ひっぱく)していることから、直ちに全面解除するのではなく、蔓延(まんえん)防止等重点措置を適用した方がよい。重症者の病床使用率が比較的高い千葉、神奈川なども注意が必要だ。

東京や首都圏から遅れて感染が拡大し始めた大阪などの関西圏でも病床使用率が下がってきた。医療崩壊寸前に迫った第4波に比べ、第5波では医療提供体制が改善した印象がある。

ワクチン接種が進んだことなどにより、感染者数が増えても重症化する割合は減ってきた。

感染防止対策を盛り込んだ「ワクチン・検査パッケージ」を活用すれば重症者数はさらに抑えられる。冬には感染が再拡大する可能性があるが、再度の緊急事態宣言は避けられるかもしれない。

ワクチン接種後もマスク着用など基本的な対策は必要だが、新型コロナ対策は長期戦。メリハリを付けて対処していく必要がある。