全国初、往診時抗体カクテル 現場医師「工夫も必要」

モデル事業の目的の一つは、府の先行事例を全国に広げることだ。小林院長は府と府医師会が連携して立ち上げた往診チームのメンバー。菅義偉(すがよしひで)首相が往診時に同療法を使えるよう厚労省に検討を指示した直後の16日夜、府医師会幹部から打診があり、同療法の説明書を読み込んで臨んだ。

インタビューに応じる葛西病院の小林正宜医師=大阪市生野区(須谷友郁撮影)
インタビューに応じる葛西病院の小林正宜医師=大阪市生野区(須谷友郁撮影)

国内初の事例に「不安がなかったといえば、噓になる」と明かす。一方で「地域を守る診療所の医師として、発熱外来の診察だけで終わるのは、もどかしい。治療まで参戦したい」と語る。

実際に投与して見えてきた課題もある。防護服は動きにくく、点滴薬の準備に手間がかかるため、事前に調合できたほうがいい。医師らが訪問先でウイルスにさらされるリスクを低減させる工夫も必要だ。

投与後は患者宅の近くで長時間待機する必要があるため、その時間も事実上拘束されることになり、負担が大きいという。小林院長は「患者宅にオンラインで健康状態を確認できるタブレットを置き、フォローすることが許されれば、別の患者への往診も可能だ」と提案する。

大阪府の吉村洋文知事は24日、記者団に「国としては患者の近くでしっかりみてもらいたいだろうが、観察のための待機がどこまで必要かは検証が必要だ」と指摘。「往診が広がらず、治療を受けられない自宅療養者が増えるほうが不利益が大きい。代替措置を取れないか、国に提言したい」と述べた。