新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議が24日、都庁で開かれた。日ごとの新規感染者数が現在の第5波のピーク時に比べ1割程度にまで減る一方、重症者数の減少は5割程度にとどまることが報告された。10代以下の新規感染者が全体の2割弱に上る状況も続いている。政府が19都道府県に発令されている緊急事態宣言の解除に向け調整を進める中、専門家は「感染が再拡大すれば医療提供体制は再び危機的状況となる」と警戒を求めた。
第5波では、直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数が8月19日に最多の4701・9人に上ったが、今月22日時点では約88%減少し、572・4人となった。1週間前の15日時点(1095・1人)と比べても大きく改善した。
重症者数も減少傾向にあるが、今月23日時点で143人と、第5波で最も多かった8月28日の297人から約52%減にとどまっている。第3波のピークだった1月20日の160人と同水準で、都医師会の猪口正孝副会長は「救急医療や通常医療を含め、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が継続している」と危機感を示した。
会議では、新規感染者のうち、10代と10歳未満を合わせた年代層の割合が8月下旬から2割近い水準で推移していることも報告された。今月14~20日は18・3%に上り、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「保育園や幼稚園、学校生活での感染防止対策の徹底が求められる」と指摘した。
今月17日から23日にかけての連休を含む期間中、歌舞伎町(新宿区)や六本木(港区)など7つの繁華街で人出が一定程度抑えられたとのデータも示された。4回目の緊急事態宣言が発令された7月12日の直前と比べ、17~23日は昼間(午後0時~6時)が16・3%、夜間(午後6時~午前0時)が22・8%減少した。都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は「大多数の市民が会食を控えるなど、自粛行動を続けている」と評価した。