米ハイチ特使、バイデン政権に抗議の辞任 移民送還「非人道的」

米国務省のプライス報道官=ワシントン(AP)
米国務省のプライス報道官=ワシントン(AP)

米国務省のプライス報道官は23日、カリブ海の島国ハイチ担当のダニエル・フット特使が辞任したと明らかにした。フット氏は辞表で、バイデン政権がハイチ移民ら数千人の本国送還を決めたのは「非人道的だ」と批判。自身の反対意見は却下されたとしており、抗議の辞任となった。

マヨルカス国土安全保障長官は南部テキサス州のメキシコ国境地帯に殺到するハイチなどからの不法移民を「追い返す」と警告していた。7月に特使に任命されたフット氏はブリンケン国務長官に宛てた辞表で、ハイチへの送還を逆効果だと指摘。「米国の対ハイチ政策には大きな欠陥があり、私の提言は無視され、却下された」と訴えた。

米国のハイチ担当特使ダニエル・フット氏(手前)=2016年5月、米ワシントン(ゲッティ=共同)
米国のハイチ担当特使ダニエル・フット氏(手前)=2016年5月、米ワシントン(ゲッティ=共同)

プライス氏は提言が無視されたとの指摘について「完全な間違いだ」と強調し、内部協議を十分に踏まえた上で政策を決定したと反論した。

地域の最貧国ハイチでは30万人超が犠牲となった2010年の地震以降、多くの人が米国を目指して出国。今年7月にモイーズ大統領が暗殺され、国内情勢が混迷している。(共同)