金与正氏、終戦宣言は「良い発想」 硬軟で揺さぶり

北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長(聯合=共同)
北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長(聯合=共同)

【ソウル=時吉達也】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(ヨジョン)党副部長は24日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連演説で提案した朝鮮戦争(1950~53年)当事者による終戦宣言について「良い発想だ」と評価し、韓国との対話再開にも応じる用意があるとする談話を発表した。

北朝鮮は同日、与正氏の談話に先立ち、終戦宣言は「米国による敵対視政策が残る限り、虚像に過ぎない」とする外務次官の談話を公表していた。硬軟両様で米韓を揺さぶり、対北政策の転換を求める狙いがあるとみられる。

与正氏は談話で、終戦宣言について「朝鮮半島の不安定な停戦状態を物理的に終わらせ、相手方に対する敵対視を撤回するという意味で興味深い提案」だと指摘。韓国側が言動を改めれば「北南間で再び緊密に意思疎通し、関係回復に向け建設的な議論をする用意がある」と主張した。

一方、「半世紀を超えて敵対的だった国々」が北朝鮮敵視の姿勢を維持すれば「宣言は話にならない」とも強調。米国の政策転換が先行すべきだと牽制(けんせい)した。

文氏は米東部時間21日、米ニューヨークでの国連総会の一般討論演説で終戦宣言締結を提案していた。文氏は米国から帰国する機内で記者団の取材に対し、弾道ミサイル発射などの北朝鮮の挑発について「核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではなく、米国が対話を断念しない程度の低いレベル」と指摘。改めて米朝、南北対話の再開に期待感を示した。