ミクシィが命名権「ティップスター ドーム チバ」

ドーム内の壁画作品の前で撮影した現代美術家の松山智一氏(@2021 MASAMI SUZUKI PHOTO)
ドーム内の壁画作品の前で撮影した現代美術家の松山智一氏(@2021 MASAMI SUZUKI PHOTO)

JR千葉駅近くの千葉公園の千葉競輪場跡地にできたドーム形の自転車競技場に米ニューヨークを拠点にし、若者に人気の現代美術家、松山智一氏(45)の壁画と彫刻が常設展示される。千葉市に誕生した競輪ドームは美術ファンも注目しそうだ。ミクシィ(東京)が命名権を取得し、ドームの正式名称は「TIPSTAR DOME CHIBA」(ティップスター ドーム チバ)に決まった。

ドームは約80億円の整備費を負担したJPF(旧日本写真判定、東京)が所有。1周250メートルの木製バンクと約2千席の観客席が整備された。国内最大級のミラーボールが設置され、車券はインターネット販売など、従来の競輪のイメージを一新するという。

五輪などの国際大会で行われる自転車トラック種目の「ケイリン」に準拠し、車券を販売する千葉市主催の公営競技として実施する新しい大会「PIST6 チャンピオンシップ」(新種目「250競走)」が10月2日に開幕し、ドームのこけら落としとなる。

ドーム正面入り口側のホワイエスペースに展示される松山氏の作品は、高さ約4・5メートルの彫刻2作品と幅約30メートル、高さ2・5メートルの壁画。新型コロナウイルス対策で10月は無観客開催となるが、有観客となった場合は迫力ある彫刻と壮大な壁画が人々を出迎える。

松山氏はキース・ヘリングやバンクシーも描いたニューヨークの有名な壁「バワリー・ミューラル」で巨大壁画を手掛けるなど、国際的に注目されている。

大会を運営する「PIST6」によると、ドームを単なる競技場ではなく、自転車を中心としたカルチャーを育む場所とするため、美術作品を展示することにした。コロナ収束後は海外からトップ選手を集めた世界最高峰の大会を目指している。若くしてニューヨークに渡り、世界で勝負している松山氏なら、若い世代に向けて競輪という勝負を表現してもらうのに適任と依頼した。

JPFと命名権契約を結んだミクシィはドームの内装や会場演出などの構想や実現を支援してきた。契約料は非公表。ミクシィは競輪やオートレースのネット投票アプリ「ティップスター」を開発・運営。車券の販売などはアプリで行う。

会員限定記事会員サービス詳細