クアッド首脳会合 経済連携、米印引き込めるか

日米とオーストラリア、インド4カ国の首脳会合が行われる米国への出発を前に、取材に応じる菅首相(中央)=23日午後、羽田空港
日米とオーストラリア、インド4カ国の首脳会合が行われる米国への出発を前に、取材に応じる菅首相(中央)=23日午後、羽田空港

日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による協力枠組み「クアッド」は24日に米ワシントンで首脳会合を開く。新型コロナウイルスワクチンや先端技術、気候変動問題などについて話し合う見通しだが、4カ国は中国をにらんだ通商政策での連携も問われる。中国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加盟を申請する中、アジアを中心とする経済関係強化が改めて焦点となっており、クアッドは米国やインドを通商面での協力体制に引き込むための舞台になる可能性を秘めている。

アジア・太平洋地域における経済連携協定ではすでに発効しているTPPに加え、地域的な包括的経済連携(RCEP)も合意済みで来年1月までの発効が目指されている。クアッドの4カ国のうち日本とオーストラリアはTPPとRCEPに参加。一方、米国はTPPから離脱し、インドはRCEP参加を見送っており、どちらの枠組みも理想形から外れた姿となっている。

これに対して中国はRCEPに参加しているうえ、今月にはTPP加入を正式に申請したと発表した。高水準の経済自由化が求められるTPPへの加入は容易ではないとはいえ、アジア太平洋地域の経済連携に強い関心を示している形だ。

こうした中、日本にとってクアッドは米国やインドへの働きかけの場となりえる。米国は現時点ではTPP復帰に慎重な姿勢だが、中国の動きをみて、TPPによる対中包囲網構築を強固にするために動き出す可能性もある。インドは対中貿易赤字拡大などを懸念してRCEPに参加しなかったが、参加国にはインド待望論が強く、インドの即時加入が可能となる特別措置が設けられている。

日本がクアッドでの米国やインドとの連携を通じて、中国の影響力拡大を押さえ込む手腕を発揮できるかに注目が集まりそうだ。(那須慎一)