ドバイ万博10月開幕 大阪万博、コロナ禍でPR難航

ドバイ万博の「モビリティ・パビリオン」(ドバイ万博事務局提供)
ドバイ万博の「モビリティ・パビリオン」(ドバイ万博事務局提供)

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで10月1日、ドバイ万博が開幕する。会期は来年3月末までの半年間。新型コロナウイルス禍の影響で約1年遅れての開催となる。ドバイは近年、観光や金融、物流の拠点として急速に経済が発展。ドバイ万博は中東・アフリカ地域で初の万博となる。日本政府は会場に「日本館」を設置。準備の遅れが指摘される2025年大阪・関西万博への各国のパビリオン出展を働きかけたい考えだが、コロナの収束が見通せないなかでの誘致活動は難航が予想される。

ドバイ万博のテーマは「心をつなぎ、未来を創(つく)る」。会場はドバイ南部の新興開発地域に設置され、「機会」「モビリティ」「持続可能性」の3つのゾーンで構成される。約190カ国の出展が予定されている。

ドバイ万博は当初、昨年10月に開幕する予定だったが、コロナ禍を受けて1年の延期が決定。その後は一部パビリオンを試験的に公開し、安全性を確認するなどの取り組みを進めてきた。UAEでは、人口(約980万人)に対し1回以上のコロナワクチンの接種を受けた人の割合は9割を超えており、世界トップレベルの水準を誇る。

ドバイ万博の会場(ドバイ万博事務局提供)
ドバイ万博の会場(ドバイ万博事務局提供)

ただ万博の事務局は今月15日、18歳以上の入場者にワクチンの接種証明書か、72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書の提示を義務付けることを突然発表するなど、コロナ禍の運営には混乱も予想される。入場チケットの保有者は会場に隣接した施設で無償のPCR検査を受けられる。

日本政府はドバイ万博の会場で「日本館」を開設。テーマは「アイディアの出会い」で、日本の最新技術や大阪・関西万博をアピールする場となっている。現地には、日本国際博覧会協会のスタッフらが滞在し、会場を訪問する各国の主要客らに大阪・関西万博へのパビリオン出展などを働きかける。

大阪・関西万博をめぐっては、これまで参加を表明したのは54カ国・5国際機関で、目標の150カ国・25国際機関を大きく下回っている。政府はドバイ万博をPRの重要な機会と捉え、誘致活動を加速したい考えだ。

しかしコロナ禍を受け、日本からの人員派遣を増やすことは容易ではなく、他国の要人もどこまで会場を訪れるか見通せていない。

12月11日には「ジャパンデー」と銘打ったイベントが万博会場で行われる予定で、大阪・関西万博をアピールする格好の機会となるはずだが、関西の財界首脳でさえ「コロナ禍の状況が見通せず、ジャパンデーに参加できるかどうか全くの白紙だ」と語っており、誘致に結びつけられるか不透明な状況になっている。(黒川信雄)