ヤギの飼育から新しい発想を 東京芸大生らが展覧会 茨城

展覧会でひときわ目を引く「ヤギは一体何を考えてんだろう」
展覧会でひときわ目を引く「ヤギは一体何を考えてんだろう」

東京芸術大の学生らが、ヤギの飼育から浮かんだアイデアを現代美術作品とした展覧会「ヤギの目はアートの素(もと)をひねり出す」が茨城県取手市中央町で開かれている。先端芸術表現科の小沢剛教授は「ヤギを飼うという環境も含めて、作品を見ることで何かを感じ、新しい発想が生まれてほしい」と話している。

東京芸大取手キャンパスでは昨年12月から2頭のヤギの飼育を始めた。これをきっかけに、ヤギを通じてさまざまな人が交流する場を作ることを目指すグループ「ヤギの目」が生まれた。現在、約50人が参加し、小沢教授の研究室を中心に、学生や教員、地域住民で構成する。

展覧会に出展したのは、ヤギの目に所属する東京芸大の学生や教員ら12組。約20人がヤギのふん掃除や水やり、散歩などに関わっており、作品はそうした生活の中から感じたものなどが並んでいる。

会場中央には、小沢教授も「よく分からない」という、ヤギの餌である草の中にバルーンが浮かぶ「ヤギは一体何を考えてんだろう」という作品が鎮座し、注目を集めている。

ヤギのふん(poo)をイメージした「Candy sheep poo」
ヤギのふん(poo)をイメージした「Candy sheep poo」

ヤギを粘土で作った「Candy sheep poo」という作品は、ふん(poo)をイメージしたカラフルな球が床にちらばる様子を表現している。

大学院生、水野渚さん(31)の「ヤギの夢ぇ~」という作品は、キャベツやニンジン、トウモロコシの皮で作った紙を絵馬の形にして、来場者に将来や今夜見たい夢を書いてもらい、飾り付けていく。

ヤギが食べられる紙で作った絵馬を掲げる水野渚さん
ヤギが食べられる紙で作った絵馬を掲げる水野渚さん

「自分の美術館がほしい」「毎日美味(おい)しいものが食べたいなあ」。水野さんは、絵馬に書かれたこんな夢が「展示後にヤギが食べてふんとなり、地球に還元されることで循環が生まれ、芽が出るかもしれない」と夢をふくらませている。

このほか、会場にはヤギから人間はどう見えるかや、キャンパス内で伐採した竹を素材にした楽器などが並んでいる。

小沢教授は「ヤギは飼いやすく人とのかかわりも古く深い。ヤギから見る人間社会はどうなのかという視点も大切にしたい」と話している。

10月5日まで。JR取手駅ビルのアトレ取手4階「たいけん美じゅつ場VIVA」。午前10時~午後8時。無料。

(篠崎理、写真も)