中国の成長率予測を下方修正 米銀

中国恒大集団の本社ビル=2月、中国広東省深圳市(共同)
中国恒大集団の本社ビル=2月、中国広東省深圳市(共同)

【ワシントン=塩原永久】中国不動産大手「中国恒大集団」の経営危機が金融市場を揺らす中、中国の経済成長率予測を引き下げる動きが出てきた。米大手銀行バンク・オブ・アメリカ(BOA)が21日、2021~23年の3年間の見通しを軒並み下方修正。中国政府による恒大への政策対応の遅れや判断ミスが、景気を一段と下押しするリスクとして市場で強く意識される展開となっている。

米メディアによるとBOAは、21年の中国成長率を8・0%と予測。従来予想の8・3%から0・3ポイント引き下げた。22年を6・2%から5・3%に、23年も6・0%から5・8%にそれぞれ下方修正した。

予測改定は、小売りなど各種統計で成長鈍化の兆しが出たことに加え、恒大への対応にみられる規制強化が景気の足かせになるとの見方を強めたためだ。

巨額債務を抱える恒大をめぐっては、経営悪化に伴って債務不履行(デフォルト)不安が浮上。当局はこれまで同社救済に距離を置く構えを示すが、混乱の長期化が景気の腰折れを招くことを避けるため、「政府が介入して管理された債務再編に乗り出す」(英オックスフォード・エコノミクス)との観測が根強い。

経済協力開発機構(OECD)が21日公表した成長率予測は、中国が21年に8・5%の高成長を遂げると見込み、前回予測を据え置いた。いざとなれば中国政府が財政、金融両面で景気支援に動く余地があるとみているためだ。ただ、恒大問題を含む対応の遅れが景気リスクになるとの警戒感は根強く、投資家は中国当局の動向を注視している。