いじめを受け不登校になったのに、学校がいじめ防止対策推進法に沿う適切な措置をしなかったのは安全配慮義務違反に当たるなどとして、静岡県御殿場市立中の元男子生徒(16)が22日、市に慰謝料など約600万円の損害賠償を求め静岡地裁沼津支部に提訴した。
原告の母親は記者会見で、学校や市教育委員会にいじめ内容を何度も伝えてきたと主張。「教育現場で責務を果たさずいじめを認めなかったことについて、説明責任を果たすよう法廷で強く訴える」と話した。
訴状によると、原告は平成30年春に入学。同級生に階段から突き落とされてけがをしたり、わいせつな行為を強要されたりするなどのいじめを受け、不登校になった。うつ状態と診断され転校したとしている。
いじめ防止対策推進法の「重大事態」に該当するのに、学校は調査など適切な措置をしなかったと訴えている。市教委は「訴状が届き次第、丁寧に対応する」とコメントした。