千葉の児童虐待対応、900件増で最多

昨年度、千葉県内に7つある児童相談所に相談があり、児相が何らかの対応をした児童虐待の相談件数は、速報値で1万1614件(前年度比899件増)と過去最多だったことが、県や千葉市のまとめでわかった。増加した数は前年度の1655件と比べて少なくなったが、専門家は、新型コロナウイルス感染拡大による休校の影響などで、虐待事案の発見が難しくなっている可能性を指摘している。

県によると、県が管轄する6児相が対応した相談件数は787件増の9848件。虐待の類型別では、子供の目の前での夫婦げんかなどが主な類型の「心理的虐待」が4871件と、前年度比で790件増加し、全体の約半数を占めた。千葉市の児相でも同様の傾向がみられた。

長年に渡って児相で相談業務に携わった、子どもの虹情報研修センターの川崎二三彦センター長(70)は「全国的な傾向として、警察からの虐待の通告が増えている。心理的虐待は警察からの通告が多く、近年割合が増加している」と話す。

一方、「身体的虐待」や「性的虐待」については、前年度からほぼ横ばいとなったほか、ネグレクトなどの「保護の怠慢・拒否」は2038件で前年度よりも44件減少した。

川崎氏は「新型コロナ感染拡大による学校の休校や自治体による乳幼児健診の延期などにより、虐待事案の発見が難しくなっている。実際に件数が減っているのではなく、虐待事案が見逃されている可能性もある」と警鐘を鳴らした。(長橋和之)