総裁選 陣営参謀語る 候補者の魅力

井上信治氏=21日午後、国会内(今仲信博撮影)
井上信治氏=21日午後、国会内(今仲信博撮影)

自民党総裁選(29日投開票)が中盤戦を迎え、立候補した河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏が混戦を勝ち抜こうと支持拡大に努めている。各陣営で陣頭指揮を執るそれぞれの参謀に、戦略や候補者の魅力などを聞いた。

河野氏陣営 井上信治氏

「新型コロナウイルス禍で社会が暗くなりがちだからこそ、局面を打開することが求められる」。河野氏の選対本部で事務局長を務める井上信治科学技術政策担当相は、河野氏の突破力に期待を込める。「ワクチンだけでなく全てのコロナ対策を仕切ってほしい。必ず、より早く収束させることができると信じている」とも強調する。

議員生活の大半を河野氏と過ごしてきた。河野氏の長所を「信念を貫き、決して裏切らず、後輩たちの期待にも応えてくれる」と語る。エネルギー政策や皇室観などには懸念の声も少なくないが、「丁寧に分かりやすく、自らの真意を説明してもらえばいい」と理解を示す。

所属する麻生派(志公会、53人)は河野氏の支持で一本化されなかったが、派閥横断的な支持を狙う。また、菅義偉(すが・よしひで)首相や知名度の高い石破茂元幹事長、小泉進次郎環境相らも支持を表明している。

党員・党友票の圧倒的な支持を武器に、決選投票に持ち込まれる前に勝利したいのが陣営の本音だ。課題は国会議員票の上積みで、井上氏は「派閥単位でなく、国会議員個人としての幅広い支援の輪を広げていきたい」と語る。(今仲信博)

岸田氏陣営 根本匠氏

「一番違うのは本人の覚悟だ」。岸田派(宏池会、46人)と岸田氏の選対本部で事務総長を務める根本匠元厚生労働相は、昨年9月の総裁選からの変化を強調する。

岸田氏は昨年の総裁選で菅義偉首相に大敗し、自ら「岸田は終わったとの評価を受けた」と振り返るほど追い込まれた。ところが、今回はいち早く手を挙げて党役員任期の改革案などを打ち出し、続投を目指した首相や5年以上在任する二階俊博幹事長らを揺さぶったとされる。

出馬表明後は、憲法改正の総裁任期中の実現などを明言。根本氏は保守政党のトップを目指すための覚悟だったとみる。「挫折がバネになった。覚悟は他者に伝わる。それが前回にない支持の広がりにつながった」と語る。

根本匠氏=21日午後、国会内(永原慎吾撮影)
根本匠氏=21日午後、国会内(永原慎吾撮影)

次の政権も最優先は新型コロナウイルス対策だ。根本氏は、有事の宰相に必要な資質を「聞く力」としたうえで、岸田氏を「ボトムアップとトップダウンの両方を兼ね備えたリーダーだ」と訴える。

ただ、党員票では河野氏が何歩も先を進んでおり、陣営には「徹底的に地元を歩いてほしい」とハッパをかける。(永原慎吾)