維新、首都圏の足場作り腐心 衆院選比例票底上げ狙う

次期衆院選埼玉1区に立候補を予定している日本維新の会新人の吉村豪介氏=22日午後、さいたま市緑区(深津響撮影)
次期衆院選埼玉1区に立候補を予定している日本維新の会新人の吉村豪介氏=22日午後、さいたま市緑区(深津響撮影)

日本維新の会が首都圏での足場作りを急いでいる。戦略の一つは、次期衆院選で選挙区候補を積極的に擁立し、比例票の底上げを図ることだ。特に、前回衆院選で議席獲得がかなわなかった比例代表の東京ブロックと北関東ブロック(埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県)に照準を据え、党発祥の地である関西以外での勢力拡大を狙う。

維新が先週新たに発表した衆院選選挙区支部長5人のうち、3人は東京都と埼玉県の選挙区支部長で占められた。埼玉1区に立候補する新人で元和光市議の吉村豪介氏(40)もその一人だ。

吉村氏は22日夜、さいたま市緑区のJR東浦和駅前で帰宅途中の会社員らへのビラ配布を行った。

同じ選挙区の他の立候補予定者に比べ出馬表明は出遅れたが「感染症対策に気を付けながらより多くの方に訴えかけていきたい」と力を込める。

吉村氏は維新の石井章参院議員の秘書を務めており、公認決定に際して石井氏の後押しを受けた。

茨城県取手市を主な地盤とする石井氏は、同県や埼玉県を含む北関東ブロックでの党勢拡大の戦略を描いている。埼玉県内の選挙区では、既に公認を決めている吉村氏ら新人3人に加えて2、3人程度の擁立を目指す方針という。北関東ブロックの有権者の大半は埼玉県で占められており、積極的な擁立が効果を生みやすいという判断だ。

「比例票の底上げというものもある。自民党総裁選のただ中で、われわれ野党がもがいても宣伝にならない。その間にやることをやる」

吉村氏と同じく維新の新人で、埼玉15区に出馬する元参院議員秘書の沢田良氏(41)は、党名を記したのぼり旗などを掲げた自転車を愛用し、浸透に懸命だ。行き交う人に会釈し、呼び止められればすぐさま自転車を止めて話し込む。

「自民党と競いあえるようにならないとわれわれの価値はない」。自身の選挙区勝利に加え「北関東ブロックで2議席を目指す」と鼻息は荒い。

埼玉2区に立候補する新人で元川口市議の高橋英明氏(58)は、平日朝の駅頭活動と支援者らへのあいさつ回りを重ねる。「(支持を急速に広げる)ウルトラCはない」。新型コロナウイルス対策の拡充や消費税の減税などの政策を地道に訴える日々だ。