世界同時株安 米欧投げ売り、日本にも波及

中国恒大集団の本社ビル=2月、中国広東省深圳市(共同)
中国恒大集団の本社ビル=2月、中国広東省深圳市(共同)

中国の不動産大手「中国恒大集団」の経営危機に端を発した世界的な株価急落は、投資家が中国の不動産バブル崩壊による金融市場の混乱を懸念したことが背景にある。資金繰り懸念は以前から意識されてきたものの、米欧の金融機関も保有しているドル建て社債の債務不履行(デフォルト)リスクが高まって混乱に火が付いた。中国経済が減速すれば海外需要に頼る日本にも影響が避けられない。

恒大は33兆円超とされる巨額の債務を抱えた「世界最大級の借金企業」(市場関係者)だ。中国経済を牽引(けんいん)してきた不動産産業で業界を代表する企業が破綻する事態になれば、財務基盤が弱い同業他社や下請け企業、取引銀行にも経営不安が広がり、金融システムにも影響が及ぶ恐れがある。

こうした懸念は春先から指摘されたが、今月23日以降、恒大が相次いで大規模な社債の利払い期限を迎えることで、デフォルト懸念が急速に強まった。米欧ではリスク選好の資産運用会社が恒大社債を大量に保有していると指摘され、金融株に加え低格付け債や暗号資産(仮想通貨)といったリスク資産を手放す動きが加速、安全資産とされる米国債に資金が流れ込んだ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストによると、「ジャンク債」扱いだった恒大の社債を日本の金融機関が購入することは考えにくく、「国内への影響は限定的」だという。

ただ、中国でも新型コロナウイルスのデルタ株拡大で生産や消費が鈍化し始めた中、好調を保つ不動産投資が低迷すれば影響は大きい。21日の東京株式市場で中国企業に多額の投資をしているソフトバンクグループ株が大幅下落したのは、こうしたチャイナリスクが意識されたとみられ、対中輸出の減退などによる企業業績の悪化も懸念される。(田辺裕晶)