総裁選で焦る若手 候補者を「面接」 冷ややかな声も

党風一新の会との意見交換会に臨む(右手前から)福田達夫氏、岸田文雄前政調会長、武部新氏=21日午後、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)
党風一新の会との意見交換会に臨む(右手前から)福田達夫氏、岸田文雄前政調会長、武部新氏=21日午後、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)

自民党総裁選(29日投開票)を通じた党改革を求める衆院当選3回以下の議員でつくる「党風一新の会」(代表世話人・福田達夫衆院議員)は21日、党本部で4人の候補との意見交換会を開催した。自民に逆風が吹く大政局の度に「選挙の顔」を求めて若手議員の動きが活発化するのは永田町の風物詩ともいえるが、具体的な改革にはつながらないことが多い。今回も党内からは「選挙目当てだ」と冷ややかな声が聞こえてくる。

「各候補の政治への基本姿勢や政党運営の考え方を掘り下げたい」

意見交換会の冒頭、福田氏がこうあいさつすると、岸田文雄前政調会長は「誰よりも早く党改革を掲げ、この総裁選に名乗りをあげた」と応じた。

意見交換会は、岸田氏を含め河野太郎ワクチン担当相、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4候補が、30分ずつ個別に同会のメンバーから質問を受ける形式で行われた。

今月10日に発足した同会には党内全7派閥から90人が入会。同会がまとめた緊急提言は、平成24年12月の政権奪還以降続く安定政権の中で「強引ともとられる政権運営や、国民意識と乖離(かいり)した言動も散見される」と指摘し、党改革を求めた。

自民党の衆院議員は現在、当選3回以下の議員が126人で45%を占める一大勢力だが逆風下の選挙の経験がないため、選挙基盤が弱い議員が多い。また、若手の多くは「魔の3回生」と呼ばれた不祥事が相次いだ世代で、党内でも批判を浴びてきた。今回の総裁選で7派閥中6派閥が、支持する候補の一本化を見送った背景には「選挙で勝てる顔」を求める若手の危機感も影響している。

自民党では大政局の度に「勝てる顔」を求めて若手が動きを活発化してきた。

12年、森喜朗政権下では当時若手だった石原伸晃元幹事長らが「自民党の明日を創る会」を結成して党執行部を批判。21年の麻生太郎政権下でも中堅・若手議員が支持率低迷にあえぐ麻生氏の下での衆院解散・総選挙を回避するため総裁選の前倒しを求めた。当時の細田博之幹事長は「ほとんどの時間を地元で過ごして票を掘り起こしてほしい」とクギを刺している。

党改革自体は否定しないが、派閥に所属してポストや資金面での恩恵を受けつつ、総裁選では自分の意志を尊重しろというのは虫がいいとの見方もある。入会していない当選3回の若手は「党風が気に入らないなら普段から言うべきだ。選挙は地元を歩いて固めるものだろうよ」と顔をしかめた。(長嶋雅子)