教科書検定「違法」と提訴 自由社

東京地裁が入る建物(今野顕撮影)
東京地裁が入る建物(今野顕撮影)

「新しい歴史教科書をつくる会」が主導する中学校歴史教科書を発行する自由社は21日、「一発不合格」とされた令和元年度の教科書検定を違法として、国などを相手取り、合格していた場合に採択で得られたとされる売上収益など計約1200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

訴状によると、自由社版には元年度検定で規定の割合を超える405件の検定意見が付き、同年度内に再申請ができない「一発不合格」が適用された。自由社側は他社版の同様の記述には意見が付いていない「ダブルスタンダード(二重基準)」の例を含む50件の違法な検定意見があるなどと主張している。

自由社の篠原寿一総務部長は21日、東京都内で記者会見し「文科省に質問状を出すなどしてきたが、まっとうな回答を得られないので、司法の場に判断を求めることにした」と話した。

提訴について、萩生田光一文科相は同日の閣議後記者会見で「事実関係を承知していないのでコメントは控えたい」と述べた。

自由社版は元年度検定で不合格となったが、再申請を経て今年3月に1年遅れでの合格が発表された。