自民総裁選 吉か凶か「菅&石破&小泉」の河野氏支援

自民党総裁選(29日投開票)をめぐり、河野太郎ワクチン担当相が知名度の高い石破茂元幹事長と小泉進次郎環境相の支持を得て〝小石河連合〟で勝利を目指している。党内の無派閥議員に影響力がある菅義偉(すが・よしひで)首相も河野氏支持を表明、世論調査では他の3候補を圧倒する。ただ、石破氏らの支援には党内の遠心力も働いており、河野氏にとって吉と出るかは見通せない。

「議論を通じ国民にいろいろなことを聞いてもらった。さらに数字が伸びるように頑張りたい」。河野氏は20日、報道各社の世論調査で自身の支持率がトップを独占していることを記者団から問われ、こう胸を張った。産経新聞社とFNNの合同世論調査でも「新総裁にふさわしい人物」で52.6%を占めた。河野氏自身の知名度に、石破、小泉両氏らの人気が加わったとみられる。

河野氏は支援に対し「ありがたい」と謝意を口にするが、石破氏らは党内に確執も抱えており、議員票獲得にはマイナスとなる可能性もある。最大派閥の細田派(清和政策研究会、96人)に影響力を持つ安倍晋三前首相や第2派閥の麻生派(志公会、53人)を率いる麻生太郎副総理兼財務相らにとって、石破氏は政敵といえる。ある中堅議員は「石破氏が乗ることで、河野氏を支持できないという議員も出てくるのではないか」とみる。

小泉氏に対しても党内には不満がある。環境相としてエネルギー政策を「脱原発」の方向に進めたことに加え、河野氏支持を表明した記者会見では細田派に牙をむいた。同派が岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相の支持を打ち出したことに触れ「最大派閥は『河野太郎は絶対にダメ』ということ。党風一新の点からも全力で(河野氏を)応援したい」と語った。仮想敵を自らつくり注目を集める「劇場型」の政治手法に、党内からは「父親の純一郎元首相そっくりだ」と冷ややかな声も上がる。

菅首相の支援が〝逆バネ〟となる可能性もある。8月の横浜市長選では、小此木八郎前国家公安委員長を応援したが惨敗を喫した。新型コロナウイルス対応などをめぐり世論の批判が強まる中、首相の支持が足を引っ張ったとの見方もある。ある閣僚経験者は首相の河野氏支持表明に「横浜市長選で失敗しているのに」と語った。(奥原慎平)